氏のサムチップのＤＶＤをご覧いただいた方には説明不要だと思いますが、サルバノ氏は哲学的に
マジックを構築する頭脳派の天才です。
このＤＶＤでは、氏の「見えないシルクとカード」の解説と、ロープのルーティンの解説が収録
されています。 それ以外に、サムチップのビデオと同様、氏のステージでのフルルーティンが
収録されていますので、見たことが無い人は是非ご覧下さい。
メインのロープルーティンはクロースアップでもステージでも演技可能なもので、今まで見慣れた
ものと、一味違った感動を受けると思います。
みなさんアンビシャスカードってウケますよね？ じゃ、なぜウケるか考えたことありますか？
私が思うに、視覚的に分かりやすい現象が繰り返して起こるので、観客は何が起こるのか分かって
います。 しかし、どう考えても物理的に無理な事が繰り返して起こるために、どんどん不思議の
渦に吸い込まれていくのでしょう。
サーストンの三原則とは真逆ですね。 先に何が起こるか示してるわけですから。
そして、このサルバノのロープも同じなのです。 ややこしいことはやっていません。
「真ん中を切ったロープが1本に戻る」というわかりやすい現象が繰り返されます。
しかし、怪しいと思ったところはことごとく裏切られます。
以下、現象を見ているときの私の心の声です。
「あ〜、右手に切れ端持ってるんだろな・・・あれ・・・両手開いた・・・？！」
「あの結び目が端まで移動して取れるのか・・あれ・・消えた・・・結び目は？？」
観客（ある程度マジックを知っている人も含む）の心理の裏を巧みに突く手順です。
ついでに言うなら、何度切っても元通りということで、結婚式にもよろしいかと。
「寿シルク」に寒気がする人は、是非マスターされたし。
１本のロープとハサミがあれば、いつでもどこでも演技ができます。
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